あんこう “どぶ汁” というものを知ったのは2008年 今から17年前のちょうど今頃のことでした

茨城県大洗の魚料理が新鮮という評判のお店に行って “鰯の刺身” や “のれそれ” なんかを美味しく味わっていたところ・・・

衝立の向こうから ”どぶ汁お待たせしました“ という声とその後漏れ聞こえてくる ”美味しー!” という歓喜の声に ”どぶ汁 とはそんなに美味しいものなのか? ” という妄想が膨らんでしまっていました・・・
”どぶ汁” とは “あんこう” を船上で食べた漁師料理のことだそうで 飲み水の確保が難しかった船上で水を加えること無く あんこうの身と野菜の水分だけで調理したのが始まりだそう・・・
隣のお客さんが帰った後 “鍋に残った汁でもなめてみたい!” という欲望に駆られて衝立の向こうを覗くと・・・全く何も無い鍋だけが置いてあったことを思い出します・・・
そこで昔年の思いを達成するべく出向いたのが・・・

水戸市の繁華街にある 茨城郷土料理の老舗 “山翠(さんすい)”さんです・・・
“どぶ汁” は同じあんこう料理でも特に新鮮さを重視するため 3月末ごろまでの提供で予約を入れておかないと食せないそうなんですね・・・

お店の前には ”あんこう” に感謝をするための ”碑” もあります・・・

入口にはたくさんの色紙も飾られてますね・・・
さて 入店して案内された座敷にはすでに大皿に盛られたあんこう鍋の具材が・・・

わくわくしながら写真を撮っていると ”ご案内席を間違えました・・・” と別のイス席に案内されます・・・こちらは通常の “あんこう鍋” だったんですね・・・

”どぶ汁” は出来上がるまで強火が必要なのだそうで 厨房で調理する具材の “お披露目” がなされたのでした・・・
巨大な “肝” に “正身” “皮” “エラ” “胃袋” “卵巣” “ほほ肉” ・・・
山翠さんでは独自の出汁と味噌で味付けを調整しているそうですね・・・

厨房での調理中は “メニュー” の中にある “読み物” で “あんこう” について勉強をします・・・

そしてしばらくして提供されたのがこちら・・・

テーブルでもう少し煮込んで 野菜が少し ”しなッ” となったら食べごろだそう・・・

”肝” の溶けた濃厚な汁の中に ”ほくほく” としたあんこうの身・・・

濃厚な味わいに当然 日本酒が進みます・・・

“あんこう” を食べつくした残り汁に仲居さんがご飯を入れて ”雑炊” を作ってくれました・・・

食事を終えた後の鍋の様子・・・
美味しくいただきました・・・17年前に大洗のお店で見かけたお隣の席の鍋もこんな状態でしたね・・・
ただ今回判明したことがありそれは “どぶ汁” はお店によって “独自の味付け” をしていることがある・・・という事なんですね・・・
確かに “肝” を溶かした”加水しないどぶ汁” は “あく” が強く馴染まない人がいる ので”出汁を加えて食べやすくしている”・・・との記載があります・・・
”春菊” が入っていたためかその味わいも際立って 勝手に “妄想” で抱いていた味とは少し違っていたのかも知れませんね・・・
良い経験を積むことができました・・・ごちそうさまでした・・・